豊田市で盛土規制法に基づく規制の運用が開始されました(令和6年10月1日~)

盛土規制法に基づく規制の開始(豊田市:令和6年10月1日~)

令和3年7月に熱海市で発生した土石流災害を契機に、土地の用途にかかわらず危険な盛土等を包括的に規制するため、盛土規制法が令和5年5月26日に施行されました。
豊田市では、盛土規制法の規定により「宅地造成等工事規制区域」と「特定盛土等規制区域」の2種類の規制区域を令和6年10月1日に指定し、盛土規制法の運用が開始されました。

(豊田市HP宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)の規制開始について)

愛知県内(豊田市以外)の規制の運用開始について

愛知県(名古屋市、豊橋市、岡崎市、一宮市、豊田市を除く)では、令和7年5月9日に盛土規制法に基づく規制区域を指定し、運用を開始する予定とのことです。

(愛知県HP‐盛土規制法に基づく規制区域について)

名古屋市では、令和7年5月19日に市内全域を盛土規制法に基づく「宅地造成等工事規制区域」に指定し、運用を開始する予定とのことです。

(名古屋市HP‐宅地造成及び特定盛土等規制法(盛土規制法)について)

豊橋市では、令和7年1月1日に市内全域を盛土規制法に基づく「宅地造成等工事規制区域」に指定し、運用を開始する予定とのことです。

(豊橋市HP‐「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)について)

岡崎市では、令和7年4月に盛土規制法に基づく規制区域を指定し、運用を開始する予定とのことです。

(豊橋市HP‐「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)について)

一宮市の情報は令和6年11月7日現時点では見つけることができませんでした。

豊田市の規制区域について

豊田市では令和6年10月1日に規制区域を指定し、区域については基本的には丁・字ごとに指定しています。

宅地造成等工事規制区域

宅地造成等工事規制区域とは、市街地や集落・その周辺など、盛土等が行われれば、人家等に危害を及ぼしうるエリアとして指定された区域です。

特定盛土等規制区域

特定盛土等規制区域とは、市街地や集落などから離れているものの地形等の条件から、盛土等が行われれば、人家等に危害を及ぼしうるエリア等として指定された区域です。

豊田市では、全域が「宅地造成等工事規制区域」または「特定盛土等規制区域」に指定されております。

許可が必要な工事の規模について

前述した規制区域内において、次のような工事を行う場合は、事前に豊田市から許可を得る必要があります。

  1. 盛土で高さ1m超の崖ができる工事
  2. 切土で高さ1m超の崖ができる工事
  3. 盛土と切土を同時に行い高さ2m超の崖ができる工事
  4. 盛土で高さ2m超の工事 ※崖ができない場合
  5. 上記1~4には該当しないが、盛土または切土を行う土地の面積が500㎡超の工事 ※ここでいう盛土および切土は、高さ30㎝超のものをいう。
  6. 土砂等を一時的に堆積する場合で、最大堆積時に、高さ2m超かつ面積300㎡超の工事または高さ30㎝超の体積が面積500㎡超の工事

これらに該当または該当しそうな場合は、豊田市役所の開発調整課(西棟4階)へ確認をしてくださいね!

許可が不要な例

許可が不要な例はいくつかありますが、開発事業者様に密接な例としては、「開発許可を受けて行われる工事」です。

開発許可を受けて行われる工事は、みなし許可扱いとなるため、開発許可申請とは別に盛土規制法に基づく許可申請をする必要はなくなります。

ただし、開発許可申請の手続き時に添付すべき書類が増えるので注意が必要です。

運用が始まったばかりのため、今後多少の変更は生じるかもしれませんが、例えば、本来開発許可申請時には不要な「排水計算書」などの添付資料を追加で準備する必要があります。

標準処理期間について

盛土規制法に基づく許可申請は2パターンあり、それぞれ標準処理期間は次のとおりです。

宅地造成及び特定盛土等に関する工事の許可

標準処理期間は30日間

土石の体積に関する工事の許可

標準処理期間は14日間

設計者の資格について

宅地造成等に関する工事が、次のいずれかに該当する場合は、宅地造成等に関する工事の設計者が有資格者である必要があります。

  • 高さが5mを超える擁壁を設置する場合
  • 盛土または切土をする土地の面積が1,500㎡を超える土地において排水施設を設置する場合

弊所の行政書士は、工事の設計者となりうる資格を有しておりますので、大規模な駐車場整備などの建築が伴わない造成工事で設計者がいない場合などについては、ご相談いただければと思います。

よくある質問

豊田市のHPに記載のあるもののほか、弊所で調べた事項について、「Q&A方式」で記載します。

盛土規制法に基づく許可申請に当たり、新たに追加された手続は何ですか?

周辺住民への事前周知(説明会等)、定期報告、中間検査等が追加されました。また、工事主の資力・信用、工事施行者の能力、土地所有者等の同意についても問われます。

周辺住民への事前周知(説明会等)について、条例手続きで住民説明を既に行った場合の取り扱いは?

条例手続き時の事前周知をした資料を添付すれば足りるため、盛土規制法に基づく許可申請にあたり改めて住民説明を行う必要はありません。

ただし、手続き条例の事前周知範囲(10m)より、盛土規制法に基づく事前周知範囲が広い場合は、別途その範囲に対して事前周知をする必要があります。

規制開始(令和6年10月1日)前に開発許可を受けているが、盛土規制法の許可が必要ですか?

規制開始前に工事に着手している場合は、盛土規制法の許可は不要ですが、届出の提出が必要です。規制開始前に工事に着手していない場合は、盛土規制法の許可が必要です。ただし、開発許可を受けた土地が、旧法(宅地造成等規制法)の区域の場合は、工事の着手に関わらず、盛土規制法の許可は不要です。

開発許可を受けて工事に着手しましたが、規制開始後に開発許可内容に変更が生じました。盛土規制法の許可が必要ですか?

開発許可の変更内容が、「許可が必要な工事規模」に該当する場合は、盛土規制法の許可が必要です。

工事施行者が変更になりました。どのような手続きが必要ですか?

法人格の変更がないものの、名称や住所が変更となった場合や、相続等で一般承継した場合などは、軽微な変更となるため変更届を提出してください。ただし、工事施行者そのものが変更となる場合などは、新規に許可を取得する必要がありますので、工事施行者の選定には十分ご注意ください。なお、これは工事主の場合も同様です。

アスファルト舗装や、砕石舗装などは盛土に該当しますか?

盛土に該当します。現況地盤高と仕上がり高の差が、許可が必要な規模を超える場合は、許可申請が必要です。

さいごに

いかがでしたでしょうか。盛土規制法に基づく許可申請には専門的な知識や技術的な計算が必要になります。

弊所では、現時点でサービス案内ページへの記載はありませんが、盛土規制法に基づく許可申請の手続き代行を行っております。(サービス案内ページはこちら

盛土規制法に基づく許可申請が必要な場合、農地転用や農振除外、開発許可、建築許可、雨水浸透阻害行為などの関連申請も必要になる場合がほとんどだと思います。

弊所は、土地利用に関する業務を得意としておりますので、全ての申請を一括でご依頼いただけます。

お困りごとがございましたら、お気軽にお問い合わせいただければ幸いです。(お問い合わせフォームはこちら

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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