雨水浸透阻害行為に関する手続きについて【新川流域編】
目次
農地転用や開発許可だけじゃない!雨水浸透阻害行為とは【新川流域編】
雨水浸透阻害行為とは、平成15年に制定された特定都市河川浸水被害対策法に規定があり、比較的新しく対象地域も限定的であることから馴染みのない方も多いのではないでしょうか?
この記事では、雨水浸透阻害行為について概要から許可申請の手続き方法までわかりやすく解説していきたいと思います。
雨水浸透阻害行為とは
特定都市河川浸水被害対策法(以下浸法)第30条に規定されており、雨が浸み込みやすい土地(田畑など)から雨が浸み込みにくい土地(宅地や駐車場など)へ形状変更する行為のことをいいます。
愛知県の新川流域では500m²以上の雨水浸透阻害行為をする場合、愛知県知事(名古屋市、一宮市、春日井市はその長)の許可が必要となり、許可にあたっては技術的基準に従い雨水の流出量を増大させないようにするための、雨水貯留浸透施設の設置が必要になります。
対象となる地域について
新川流域
全域が流域内 | 北名古屋市 |
一部が流域内 | 名古屋市、一宮市、春日井市、犬山市、江南市、 小牧市、稲沢市、岩倉市、清洲市、あま市、 豊山町、大口町、扶桑町、大治町 |
詳細の新川流域については、各自治体担当窓口へ問い合わせるほか、マップあいちでも確認することができます。
雨水浸透阻害行為の許可に関する各種ご相談窓口について
対象地 | 問合せ先 |
---|---|
名古屋市内で行う場合 | 名古屋市緑政土木局 河川管理課 〒460-8508 名古屋市中区三の丸3-1-1TEL:052-972-2882 |
一宮市内で行う場合 | 一宮市建設部治水課 〒491-8501 一宮市本町二丁目5番地の6TEL:0586-28-8642 |
春日井市内で行う場合 | 春日井市建設部河川排水課 〒486-8686 春日井市鳥居松町5丁目44TEL:0568-85-6361 |
小牧市、清須市、北名古屋市、豊山町内で行う場合 | 愛知県尾張建設事務所 河川整備課 〒460-0001 名古屋市中区三の丸2-6-1TEL:052-961-4498 |
犬山市、江南市、稲沢市、岩倉市、大口町、扶桑町内で行う場合 | 愛知県一宮建設事務所 河川整備課 〒491-0053 一宮市今伊勢町本神戸字立切1-4TEL:0586-72-1434 |
あま市、大治町内で行う場合 | 愛知県海部建設事務所 河川整備課 〒496-8533 津島市西柳原町1-14TEL:0567-24-2084 |
なお、許可申請書の提出窓口は、名古屋市、一宮市、春日井市を除いて対象地を管轄する市町村窓口となります。
許可が必要な開発行為とは
具体的にどのような開発行為が雨水浸透阻害行為にあたるのでしょうか?
例えば以下のような行為か雨水浸透阻害行為に該当します。
- 田畑などの締め固められていない土地に建物を建てる場合
- 田畑などの締め固められていない土地を駐車場にする場合
- 田畑などの締め固められていない土地をゴルフ場や運動場にする場合
- 原野などの締め固められていない土地を資材置き場など締め固めた土地にする場合
- 資材置き場など締め固めた土地をアスファルトなどで舗装する場合
上記のように、現況の土地利用形態と比べ、雨水がしみこみにくくなる開発行為が該当すると考えてよいでしょう。
なお、現況の土地利用形態は、登記簿上の地目で判断するのではなく、外観で判断します。
全ての案件について外観だけで判断するのではなく、過去に宅地であったかどうかや、建物がある(あった)かどうかなど、現況の土地利用形態を判断する基準があります。対象地の現況の土地利用形態を宅地とすることができれば、雨水浸透阻害行為には当たらず、許可申請を不要とすることができるかもしれません。
そのような場合は特に、官公庁に対して事前相談書を提出することをオススメいたします。
雨水貯留浸透施設ってどんなもの?
雨水貯留浸透施設には公園や駐車場などの地表面や地下に貯留する施設と地中に浸透させる施設があります。
貯留施設:表面貯留・調整池・地下貯留施設
浸透施設:透水性舗装・地下貯留浸透施設・浸透ます・浸透トレンチ・浸透側溝
申請にはどのような手続きが必要なの?
工事に着手する前に許可申請書を提出し、許可を受けなければなりません。申請にあたっては、どの程度雨が浸み込みにくくなったか(雨水の流出量)計算する必要があります。そこから算出された数値をもとに雨水貯留浸透施設の規模を決め、対策施設の設計をします。
雨水浸透阻害行為面積によって、対策する降雨規模(3年確率降雨または10年確率降雨)が変わります。
また、申請には土地の利用計画や排水系統などを図面で提示しなければなりません。
少し技術的な作業になりますので、お困りの際は弊所までお気軽にご相談ください。
許可を受けた後はどうなるの?
許可を受けると工事に着手できます。着手の際には着手届を、工事の完了した際には完了届をそれぞれ提出しなければなりません。
ただし、許可後に雨水貯留浸透施設や土地利用形態に変更がある場合には、変更許可申請書を提出し、再び許可を受ける必要がありますのでご注意ください。
関連する工事が終わると許可権者による完了検査が実施され、合格すると一連の手続きが完了します。
検査合格後に施設を変更する場合においては変更許可申請の対象となります。500㎡未満の土地でも過去に許可を受けている場合は対象となりますので注意が必要です。
さいごに
いかがでしたでしょうか。雨水浸透阻害行為の許可申請には専門的な知識や技術的な計算が必要になってきます。
弊所では新川流域内における雨水浸透阻害行為許可申請の代行を行っております。(サービス案内ページはこちら)
雨水浸透阻害行為の他、関連申請(農地転用や開発許可など)もまとめて対応いたします。
馴染みがないため、何から始めてよいか分からない、どうやって設計したらよいか分からず困っているなどございましたら、お気軽にお問い合わせいただければと思います。
さいごまで読んでいただきありがとうございました。
投稿者プロフィール
最新の投稿
- コラム2024年11月7日豊田市で盛土規制法に基づく規制の運用が開始されました(令和6年10月1日~)
- コラム2024年9月24日農地法3条の申請手続きを成功させるための重要ポイントとは?
- コラム2024年9月23日農地法5条手続きとは?基本知識から許可取得までの徹底解説
- 解説2024年9月22日農地転用を成功させる!農地法4条の手続きポイントと注意点